
日本茶の入口に、伊勢茶がいいと思った理由
生まれて初めて、伊勢茶をいただきました。試飲させていただいたのは、煎茶やぶきた、釜炒り茶、ほうじ茶の3種類。どれも冷茶です。飲み比べてみると、特に印象に残ったのが煎茶でした。
「クセがない」って、実はすごい
一口飲んで感じたのは、とてもニュートラルな味わいでした。渋みが強すぎるわけでもなく、旨みが前に出すぎるわけでもない。良い意味でクセがなく、すっと飲めます。
「あ、この味、知ってる」
以前、私が水出し煎茶を自分でブレンドしていたとき、目指していた味にとてもよく似ていました。日本茶を飲み慣れていない人や海外の方に飲んでもらうなら、こういうお茶がいいのかもしれません。日本茶らしさを強く主張するというより、まずおいしい・飲みやすいと感じてもらえる味です。
やぶきたなのに、ブレンド?
もうひとつ面白かったのが、茶葉について聞いたときのこと。「やぶきた」と書いてあったので一種類のお茶だと思っていたのですが、実は育て方の異なる3種類のやぶきたを合わせているそうです。同じ品種でも、育て方によって生まれる違いを組み合わせ、ひとつの味をつくる。そんな「合組」の方法もあるのだと知りました。派手な個性ではなく、飲みやすいおいしさをつくることにも、技術がある。
最初の一杯は、やさしくていい
日本茶を知るようになると、産地や品種、蒸し方、火入れなど、違いを楽しみたくなります。でも、最初からそこまで知らなくてもいいのだと思います。「日本茶って、苦いんでしょう?」そんなイメージを持っている人に必要なのは、驚くほど個性的な一杯ではなく、「あれ?おいしい」と自然に飲める一杯なのかもしれません。
まず、おいしいと思う。すると、もう一杯飲んでみたくなる。そこから少しずつ、日本茶の世界が広がっていく。伊勢茶を飲みながら、日本茶を好きになってもらうための、とても素敵な入口になるお茶だなと思いました。